視点

なぜインフルエンザ治療薬タミフルが多く使われるのか

 最近、インフルエンザ治療薬タミフル服用後の副作用で、異常行動死・睡眠中の突然死など数多くの事例が生じています。
 日本ではタミフルはインフルエンザの「特効薬」のように宣伝されていますが、その反面多くの被害者を生みだしているのも事実です。

タミフルがもたらす重大な副作用

 タミフルの服用と異常行動との関連性について、2001年2月の発売以降に報告があ った約1800件の副作用のうち、異常行動につながる心配のある「精神・神経症状」(意識障害や異常行動、幻覚、妄想など)が少なくとも約280件あったことが、3月24日、朝日新聞の調べでわかりました。10歳未満の子どもの例も20件以上報告されていました。
 厚生労働省は2004年5月、10代の少女が服用後に窓から飛び降りようとし、家族が防ぐという事例などがあったとして、タミフルの添付文書の重大な副作用項目に「精神・神経症状」を加えるよう、輸入販売元の中外製薬に改訂を指示しました。
 タミフル服用と異常行動の因果関係について、厚生労働省は否定的な見解をずっと表明していました。

企業と厚労省の癒着

 インフルエンザ治療薬タミフルの副作用を調べている厚生労働省研究班長の横田俊平・横浜市立大学教授の講座に、2001年から6年間で輸入販売元の中外製薬から研究資金計約1000万円が振込まれていました。
 横田教授の研究班は05年度、小児患者約2800人を調査し、服用の有無で異常行動の発生率を比べましたが、統計学的な有意な差はないとの結論を導きだしました。
 製薬会社から金をもらっている研究者がその製薬会社の販売している薬品に副作用があると表明することはできないのは明らかです。

ラムズフェルド元国防長官の関連会社が開発

タミフル
 1996年にギリアド・サイエンシズ社(1997年から2001年まで、元アメリカ国防長官のドナルド・ラムズフェルドが会長を務めた)が開発、スイスのロシュ社がライセンス供与を受け製造、販売をおこなっている。
 日本においては2000年に厚生労働省が承認、2001年2月に保険適用承認後中外製薬が日本の代理店となり、タミフルカプセル75とタミフルドライシロップ3%として販売されている。

 実際にタミフルを開発したのはアメリカのバイオテック企業、ギリアド・サイエンシズ社です。
 カリフォルニア州に本拠をかまえるギリアド社は、スイスの医薬品大手のロシュ社が製造販売しているタミフルの特許を所有しています(ギリアド社は販売額の10%のロイヤリティーを受けとっている)。
 1997年からブッシュ政権入閣までの2001年のあいだ、ラムズフェルド元国防長官はギリアド社の会長を務めており、現在でも同社の株を所有していますが、その評価額は500万ドルから2500万ドルのあいだであることが、ラムズフェルド自身による連邦資産公開申告書で明らかになりました。
 ギリアド社は政界と深いつながりをもっています。
 日本で独占販売している中外製薬は、ロシュ社の関連会社が50%の株主となっています。つまり中外製薬もロシュ社のグループ会社なのです。
 ロシュ社が儲かれば、ギリアド社、中外製薬も儲かります。そしてギリアド社の元会長で大株主なのが、ラムズフェルド・アメリカ元国防長官です。
 タミフルは世界ではそれほど使用されていません。日本は例年のインフルエンザの症状緩和に多くの方が使用しており、世界のタミフルの8割も消費しています。
 タミフルがインフルエンザの特効薬だから、日本のなかで普及しているのではなく、アメリカの好戦分子と日本の企業、日本政府が一体となってタミフルを導入してきたといえます。
 日本はあらゆる分野でアメリカに追随する政策をとっています。タミフルのような人々の生活に密着したところでも同じ構図があり、日本政府はアメリカに従属することなく、日本の人々の安全にたいして責任をもっていかなければなりません。