視点

若者のあいだで格差広がる

―将来に希望をもてる社会に―

 25〜35歳の仕事ぶりや生活意識をさぐるインターネット調査を朝日新聞社がおこない、その結果を2007年1月5日付朝刊に掲載しました。
 この年代層は、バブル経済崩壊後の「就職氷河期」に社会にでた層です。若く働き盛りの年代でもありますが、将来にたいする夢や期待をあまりもてず、不安を感じていることがわかります。

収入の格差が三倍にも

 調査は、@正社員A非正規雇用(派遣・契約社員)B非正規雇用(パート・アルバイト・フリーター)の就業形態別に集計され、男性の非正規、とりわけアルバイトなどのきびしい現実が明らかになっています。
 男性のアルバイトなどの平均収入は160万円弱。一週間の労働時間も二時間ほど短いだけにもかかわらず、収入は社員の三分の一、派遣・契約社員と比べても半分程度しかありません。
 また同じ仕事をしたとしても、正社員と非正規雇用の社員の賃金に違いがあるのにたいして、正社員が「当然だ」と思う割合が高いのにたいして、非正規雇用の場合は「おかしい」との回答が多くなっています。
 さらにいまの社会について「希望の持てる社会」という人は30%にとどまり、「希望を持てない社会」が59%にのぼりました。25〜35歳にかぎると「希望を持てない社会」は64%、そのうち非正規雇用の社員にかぎると、71%までになります。

増えるワーキングプア

 いま新たに問題となっているのは、ワーキングプアが増加していることです。
 ワーキングプアとは、正社員並みにフルタイムで働いても(またはその意思があっても)、生活保護水準以下の収入しか得られない就業者のことをいいます。
 バブル経済の崩壊以降、企業は正社員の採用を抑制することによって人員を減らす一方、アルバイトやパート、契約社員、派遣社員など非正規雇用の割合を増やすことによって、総人件費の抑制をはかってきました。
 ワーキングプアの増加の背景には、日本社会のきびしい雇用構造が関係しています。
 ワーキングプアとは「働けば働くほど支出が増えて貧しくなる状態」ともいえますが、これは完全な貧困層であれば受けられる福祉サービスが、逆に働いたことにより収入が増え、受給資格を失うためにおこる現象です。
 ワーキングプアがおこる原因の一つとしては、日本の最低賃金の保障額が平均賃金の約34%、つまり生活保護以下の家計水準になってしまうことがあげられます。

未来のため人々のために生きる生き方を

 若者のなかで雇用における格差が拡大しています。またいまの社会や将来に期待できない状況も生まれています。
 いま客観的な社会の状況に規定されて生きるだけでは苦しい生活を余儀なくされるようになっており、逆にみずからがその状況を変えていくという立場に立っていくことが求められています。
 若者が自分のことだけではなく、みんなのことや社会のこと、未来のことを考えて生きていかなければなりません。
 未来のため、多くの人々のために責任をもちながら、人を愛し信じて協調して生きていくことが大切です。
 若者が将来に夢や期待をもてる社会にしていくことが急務となっています。