視点

史上最大の利益をあげた大手銀行と高金利に苦しむ多重債務者

年収が少ない人ほど多重債務に

 3月22日、独立行政法人国民生活センターは多重債務問題の現状と対応に関する調査研究結果を発表しました。
 それによると、はじめて借入れをした頃の年収で一番多いのは200万円未満の女性で、全体の半分以上を占めています。
 二番目に多いのが年収200万円〜300万円未満の男性、三番目に多いのは年収300万円〜400万円未満の男性となっています。
 月収にすると17万円にも満たない人たちが一番多く借りていることになります。
 また、借入件数が一番多いのは5〜7件の人たちで35.5%、次に多いのが8〜10件の人たちで27.1%を占めています。
 つまり借金を返すために次々と借金を重ね、同時にいくつもの金融会社から借りている人が増えているのです。
 また、消費者金融から貸付可能金額の増額を提案されたり、追加の借入れを勧められたりして、必要以上に金を借りるようにさせられています。

グレーゾーン金利廃止の動き

 最高裁判所は今年1月、利息制限法の上限金利(年利15〜20%)と出資法の上限金利(同29.2%)に挟まれた「グレーゾーン(灰色)金利」を事実上認めない判断を下しました。
 武富士を除く消費者金融大手3社の個人向け無担保ローンの平均貸出金利は、23〜24%、非公表の武富士も25〜26%とみられ、まさにグレーゾーン金利になっています。
 金融庁の「貸金業制度等に関する懇談会」は3月21日、出資法の上限金利を利息制限法の水準に引き下げるとの内容を中間まとめに盛り込みました。
 グレーゾーン金利廃止の動きが起きるなかで、20%以上の利息(過払い利息)の返還を求める訴訟が急増し、返還費用は消費者金融大手4社(アイフル、アコム、武富士、プロミス)で1400億円を超えたということです。
 4月14日、金融庁は強引な取立てをするなど違法行為が相次いでいたとして、アイフルにたいして、国内の全店舗を対象に業務停止命令を出しました。
 アイフルは5月8日から3日間、全店舗で業務を停止しました。

高い金利で貸し出し暴利をむさぼる銀行

 政府は日本銀行に、日銀は大手銀行にほとんど金利をとらずに貸し出します。
 消費者金融も大手の銀行の系列下におかれています。大手銀行は、消費者金融大手に金利2%程度で貸し付け、消費者金融大手は、消費者に23〜26%もの高い金利で貸し付けているのです。
 消費者は銀行にお金を預けてもわずか0.01%程度の利子しかつかず、借りるときには平均10%以上もの高い利子を払わなければ借りられません。
 銀行や消費者金融は何も生産することもなく、ただお金を動かしているだけで暴利をむさぼっているのです。
 三菱UFJフィナンシャル・グループは5月22日、今年3月期連結決算の最終利益が1兆1817億円となったと発表しました。他の大手銀行も過去最高の利益をあげています。日本では資本家は何もしなくても儲かる仕組みになっています。
 消費者金融は広告宣伝費を年間200億円も使っています。わたしたちは、日本がどのような社会なのか本質を正しく理解し、だまされないようにしなくてはなりません。
 そして資本中心ではなく人間中心の社会を築いていくことが切実に求められています。