視点

高齢者、障がい者が大切にされる格差のない社会へ

 3月23日、厚生労働省は、4月から3年間適用される65歳以上の介護保険料が、全国平均で月額24%アップの4090円となる見通しを示しました。
 4月から制度が変わり、高齢者や障がい者にとっては、さまざまな負担がかかるようになります。

介護保険制度

 介護保険は利用者が年々拡大しています。発足した2000年4月には149万人が利用し給付額は三兆二千億円でしたが、05年7月には337万人が利用し、給付額は6兆5000億円と毎年10%も増えつづけ、2025年には、約20兆円(予算ベース)になると伝えられています。
 そのため、制度自体を5年ごとに見直すという最初の決まりにしたがい、今後は介護予防に重点がおかれたサービスが実施されることになります。
 しかし、利用者にとって大きな負担増となるのは、施設の入居費用と食費が介護保険給付からはずれ、利用者の自己負担になったことです。新たな自己負担額は、4人部屋の特別養護老人ホームに入居している場合、平均して月額で約3万円にもなります。
 また、デイサービスやデイケアなどの通所サービスにおいても食費が全額自己負担になります。(これは既に昨年10月1日から先行実施されています。)
 これまでは家でベッドや車椅子をリースしていた場合、一割の負担でよかったのが全額負担することになります。また、オムツは要介護度4と5の人にしか支給されなくなり、軽度の人は自己負担になります。

障害者自立支援法

 障がい者の自立を阻害するとして短期間に反対の署名が20万人も集まった障害者自立支援法も4月1日から実施されます。
 これまでは生活するのに必要なサービスを所得を基準として負担(応能負担)してきましたが、これからは受けたサービスに応じた負担(応益負担)になります。
 医療費も原則として一割負担になり、これまで無料だった利用者にも所得と受けたサービスに応じた負担がかかることになります。
 低所得者にたいする減額措置もありますが、当事者が年金だけの収入でも、家族に収入があれば当事者に収入があるとみなされてしまう不合理な制度です。
 また、日常的にマンツーマンで支援を受けながら6人から7人程度の障がい者が通い、年間1000万円の補助金と寄付金でまかなってきた通所施設では、より自立性と就労性の強い20人以上の施設に移行しなければ補助金が打ち切られてしまうことになります。

所得格差を実感

 日本世論調査会が3月4、5日におこなった世論調査によると、所得の格差が「広がっている」「どちらかといえば広がっている」と感じる人が合計で87%を占めていることがわかりました。
 その理由としては、「アルバイトやパートで働く人が増えている」が42.7%、「企業規模や業種で賃金の差が広がっている」31.5%、「経済社会の仕組みが金持ちに有利になってきている」30.5%になっています。
 3月23日、厚生労働省が発表した2005年賃金構造基本統計調査がその実感を裏づけています。正社員の平均賃金(残業代などを除く所定内給与、平均40.4歳)が月額31万8500円にたいし、短時間パートを除く契約や派遣、嘱託など非正社員は同19万1400円(同42.9歳)で正社員の60%に過ぎないことがわかりました。
 だれもが豊かで健康的な生活を送る権利があります。広範な人々が助け合って格差のない社会をつくっていくことが求められています。