展望

構造改革の背景は新保守主義と新自由主義

 自民党は、11月15日、結党50周年を迎えました。小泉首相は、郵政民営化法案に反対した議員にたいして、離党勧告や除名などの処分をし、長く自民党を支えてきた議員を切り捨てるようなことをしています。
 国民新党を結成した亀井静香氏や特別国会でも郵政民営化案に反対した平沼赳夫氏は、「自民党は変質してしまった。誰も小泉首相に異議を唱えられない独裁体制になっている」と語っています。(東京新聞11月15日付朝刊)
 小泉政権はこれまでつづいてきた保守主義ではなく、新保守主義の流れと結びついています。
 構造改革の背景にある新保守主義と新自由主義について知ることが大切です。

新保守主義と結合した新自由主義の本質

 帝国主義諸国が経済危機を乗り越えようとするところから日本、アメリカ、イギリスなどで新保守主義と新自由主義が結合して登場しました。
 新保守主義の特徴は、政治的には武力による世界支配をすすめ、軍事的には軍拡を推進するとともに、経済的には市場原理を貫徹する新自由主義の経済政策をとることです。
 また、右翼を前面に押し出し強権政治を実施することです。
 新自由主義は、資本主義の形成、発展過程で形成された自由主義の発展上に登場しました。
 70年代後半にオイルショックによる経済危機を打開するために新自由主義が登場し、資本主義諸国は経済政策を180度転換しました。
 自由主義と新自由主義は闘争対象も異なります。
 自由主義の闘争対象は、封建的くびきでした。資本家が自由に商売をするうえで障害になる封建的なくびきを打ち破る必要がありました。
 一方、新自由主義の闘争対象は、社会主義陣営と福祉国家体制の二つです。社会主義陣営を崩壊させ福祉国家体制を消滅させることにより、巨大独占企業の利潤追求のための強い国家の建設をめざしたのです。
 新自由主義は経済危機を乗り越えるために二つの特徴的な経済政策を打ち出しています。一つは、あらゆる分野に市場原理を貫徹させる政策です。二つは、福祉を切り捨て国民に負担を押し付け、大企業とお金持ちを優遇する政策です。

利潤追求の非人間的社会

 新自由主義の経済政策の特徴は、市場は市場にまかせ、市場原理を貫徹させることです。
 市場原理には大きな問題点があります。資本家は労働者を搾取し、利潤を得ることにより、資本を肥大しつづけ、労働者はますます貧しくなり深刻な社会的格差が生まれます。
 利潤追求を優先するため人間が副次的に位置づけられ、酷使されて過労死する人が増えています。また、7年連続して自殺者が3万人を越えています。
 帝国主義の歴史は、一国が富の集中に走れば行き着く先は滅亡のみが待ち受けていることを示しています。一部の者だけに富を集中させ金儲けばかりに夢中になれば、結局は滅亡だけが待ち受けています。アメリカも例外ではありません。
 主要国の対外純資産残高をみると、日本の昨年末の対GDP比は、36.8%でしたが、アメリカは一昨年末、マイナス24.1%となっています。
 これは一時的な現象ではなく、今後さらに減少していくでしょう。アメリカの凋落がはじまったことを意味しています。

弱体化した帝国主義

 新保守主義と新自由主義は、帝国主義が弱体化した結果、帝国主義の本性がむき出しになった政治潮流です。これまでのように福祉政策を実施し、人々の不満を和らげることもできない段階にきているということです。現象に目を奪われるのではなく、社会の本質を理解していくことにより、未来を展望していくことができます。