展望

アジアとの協調が未来を拓く

6か国協議の共同声明

 9月19日、6か国協議の共同声明が採択され、朝鮮民主主義人民共和国の核放棄とともにアメリカによる朝鮮への攻撃意図がないことの確認、朝鮮への軽水炉の提供、朝米、日朝間の国交正常化に向けた措置などが明記されました。
 日本と朝鮮は2002年に日朝ピョンヤン宣言を結んだもののその後進展がなく、話し合いの機会もありませんでした。またアメリカも朝鮮をイラク、イランとともに「悪の枢軸」と批判し、攻撃対象としていたことを考えると、今回平和、協調に向けた動きがつくられたことは一歩前進と言えます。
 6か国のうち、もともと朝鮮、中国、韓国、ロシアの4か国は歩調が合っていました。実質的にはアメリカ、日本対朝鮮、中国、韓国、ロシアの構図となっていました。
 今回はイラクが泥沼状態になり、また国内でも大型ハリケーンによる被害が大きくなって朝鮮を攻撃する余裕もなくなったアメリカが朝鮮に譲歩しました。日本政府は日本独自の外交はせず、つねにアメリカに追随しています。
 日本はアジアの一員であり、アジア諸国と友好関係を結び協調していくことが日本の未来を切り拓いていきます。

歴史認識の違い

 新しい歴史教科書をつくる会が作成した扶桑社の教科書を導入しようとする動きにたいして、全国で反対運動が展開されています。
 新しい歴史教科書をつくる会のメンバーは拉致問題で反朝鮮宣伝を激しくおこなっている人たちと重なっています。新しい歴史教科書をつくる会のメンバーは、歴史的事実を歪曲した嘘の発言を繰り返しています。
 日本が戦争を起こし、アジアでおびただしい人々が犠牲になったことについて、敗戦後60年がたっても正しく教育されていず、また戦争当時に生きていた人々も加害者としての歴史認識をもてていません。
 8月15日付の毎日新聞に掲載された世論調査によると、日本がアメリカや中国などと戦った戦争が間違った戦争だったと思うかという質問にたいして、43%が間違った戦争だったと答えたのにたいして、29%がやむを得ない戦争だったと回答しています。とりわけ70代以上では45%がやむを得ない戦争だったと回答しているのです。

アジアの人々の犠牲は3000万人

 広島、長崎の原爆投下であわせて約20万人が、地上戦争がおこなわれた沖縄戦によって約20万人が犠牲になりました。日本の平和運動では広島、長崎、沖縄が世界の平和運動の原点であるとしています。
 しかし、第2次世界大戦によってアジアの人々がどれだけ多く犠牲になったのかということを、まず私たちは知らなくてはならないのではないでしょうか。
 8月7日付の東京新聞サンデー版に太平洋戦争によってアジアで犠牲になった推計死者数が掲載されました。
 さまざまな文献によると、日本が引き起こした戦争でアジアで約3000万人が犠牲になり亡くなっています。アジアで3000万人もの人が犠牲になったことについて日本の人々はどれほど深く考えてきたのでしょうか。日本では進歩的運動をおこなっている人たち自身も加害者としての自覚よりも被害者としての意識で運動してきた傾向があります。

国交正常化が潮流に

 現在日本にかわってもっともアメリカへ投資している国は中国です。アメリカ経済は中国の資金によって支えられているため、アメリカは中国と対立することはできません。
 アメリカは朝鮮との関係も協調していく以外の選択肢はなくなっています。アメリカが朝鮮と国交正常化に向かおうとしているために、日本も朝鮮との国交正常化をすすめる方向になってきています。今後ますますアジアとの協調がすすんでいくことでしょう。