視点

自民党の圧勝は圧倒的支持を意味しない

構造改革は外資に日本を売り渡す道

 9月11日、第44回衆議院議員選挙がおこなわれ、自民党は296議席を確保し圧勝しました。しかし、これは国民が自民党を圧倒的に支持していることを示すものではありません。

小選挙区制のマジック

 小選挙区制は、少しの優勢でも圧勝につながっていきます。
 小選挙区制で自民党候補の得票率は47・8%であるのにたいし、民主党候補は36・4%であり、民主党の1・3倍でしかありません。しかし、獲得した議席占有率でみると、自民党73・0%、民主党17・3%で4倍になっています。
 自民党の議席296(全議席の61・7%)と、公明党の議席31をあわせて、与党は衆議院の3分の2を7つ上まわる327議席を獲得したことになります。
 自公与党で衆議院議員3分の2以上を得たために、たとえ衆議院の議決が参議院で否決されたとしても、最終的には衆議院に戻り与党の思うとおりに議決することが法的には可能になりました。
 選挙直後のNHKの世論調査によると、自民党が3分の2以上の議席を獲得したことについて、「好ましい」21%、「どちらかというと好ましい」23%、「好ましくない」24%、「どちらかというと好ましくない」23%となっており、選挙結果とはかならずしも一致した意見ではありません。
 国会が小泉政権の独壇場となることに国民は不安を感じており、今後の行方を注視しています。

構造改革は弱肉強食の市場原理をもたらす

 小泉首相は先頭に立って郵政民営化をはじめとする構造改革を推進し、教育、医療など公共機関をすべて民営化しようとしています。
 現在、日本の国債および借入金と政府保証債務はあわせて800兆円を超えています。小泉政権は、構造改革を進めなければ日本の景気が危機的状態に陥ると警告して構造改革をすすめてきました。
 構造改革は、市場原理が徹底された社会をつくることにあります。 
 市場原理にもとづいて自由競争を激化させれば、金と権力をもった強い者が貧しい弱者を淘汰するのは明らかです。小泉政権は、国内では公的機関を民営化しあらゆる規制を撤廃するとともに、対外的には自由貿易協定を結んで関税を引き下げ国境をとりはらって、日本を金儲けのための自由な競争のできる市場にしようとしています。

誰のための郵政民営化か

 小泉首相や竹中平蔵郵政民営化担当相ら郵政民営化を推進する人たちは、郵政民営化をすすめれば、郵便貯金と簡易保険の合計約330兆円の資金が、民間にまわり経済が活性化すると主張しています。郵政民営化がなされ、株式会社化されれば、株式を購入するのは財力のある大手銀行です。
 銀行は企業や個人への融資によって利益を得るのではなく、株取引にたけた証券会社や金融派生商品取引にたけた外国資本と一体になり、国債や株式、デリバティブ取引などマネーゲームに走り利益を得るようになっていきます。
 郵政民営化も結局は郵貯・簡保の莫大な資金を大手銀行が手にし、アメリカをはじめとする外資に売り渡すものにすぎません。
 今後郵政民営化が国民に利益をもたらすものでないことが明らかになるにつれ、小泉内閣は急速に支持を失っていくでしょう。