視点

弱体化する第二期ブッシュ政権

〜世界の流れは自主、平和、協調へ〜

「圧政国家」の共通性

 1月18日、アメリカの第2期ブッシュ政権の国務長官に就任したライス氏は、次期国務長官指名承認公聴会において、朝鮮、ミャンマー、ベラルーシ、キューバ、ジンバブエ、イランの六か国を「圧政国家」として名指して、攻撃対象にあげるとの発言をしました。
 これらの国をみると、朝鮮は東アジア、ミャンマーは南アジア、ベラルーシは東ヨーロッパ、キューバは中南米、ジンバブエはアフリカ、イランは中東と全世界にまたがっています。
 それぞれ地域も性格も異なるこれらの国に共通しているのは、アメリカのいうことに従わず、民衆に依拠して政治をおこなっているということです。そのためにアメリカはこれらの国を嫌い、目の敵にしています。

軌道修正を迫られるアメリカの政策

 1月20日、アメリカのブッシュ大統領は、2期目の就任演説で「世界の圧制に終止符を打つ」と宣言しました。この演説にはアメリカ流の「自由拡大思想」が貫かれています。
「自由拡大思想」は、イスラエルの閣僚、ナタン・シャランスキー氏(エルサレム・離散問題担当相)が提唱したもので、イラク戦争を主唱したネオコン (新保守主義者)の考え方と酷似しており、パレスチナにたいする姿勢がイスラエル首相より強硬だといわれています。
 しかしブッシュ大統領が自由拡大論にもとづいて、一国支配主義的な政策をすすめようとしても、世界では中国やEUなどが経済的に伸張し、アメリカにたいして世界の国々が独自に主張するようになり、財政赤字、経常赤字の双子の赤字を抱えるアメリカが相対的に弱体化している今日、現実には不可能になっています。 世界の流れが自主、平和、協調へとむかうなかで、アメリカの利益のみを追い求める時代錯誤的なブッシュ大統領の政策は、軌道修正を迫られることでしょう。

核についてのダブルスタンダード

 2月10日、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の外務省は、核問題をめぐる6か国協議への参加を「無期限中断する」との声明を発表すると同時に、アメリカの敵視政策に対抗するため「自衛のために核兵器を製造」したと言明しました。
 声明は6か国協議への参加の無期限中断を決めた理由として、ブッシュ大統領の就任演説や一般教書演説、ライス国務長官の公聴会発言によって、第2期ブッシュ政権が朝鮮と共存しようとせず、朝鮮の政権を転覆させようと、朝鮮敵視政策をひきつづきおこなうことが明確になったことをあげています。
 朝鮮が核兵器を開発していると発言したことについて、日本のマスメディアは朝鮮への非難を強めています。
 核拡散防止条約(NPT)によって、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国は核保有国と規定され核保有が認められています。その他に核を保有している国は、イスラエル、インド、パキスタンですが、イスラエルとパキスタンは親米政権の国です。また日本や韓国には米軍基地が存在し、日常的に核兵器が配備されています。
 これらの国の核については保有を認め、一方朝鮮の核については非難を強めているのは、明らかにダブルスタンダード(二重基準)です。
 アメリカは小国にテロ国家の烙印を押し、テロ国家を攻撃するためには核兵器を使用すると公然と表明しています。朝鮮がアメリカの核攻撃に対抗して核兵器を保有することは、自国を防衛するための当然の処置だといえます。
 核保有国のアメリカ、ロシア、中国、アメリカの核がもちこまれている日本、韓国が集まり、朝鮮の核開発を阻止するために協議することは、公平とはいえません。
 自国を防衛するための核開発と他国を攻撃するための核は区別しなければなりません。