視点

平和と協調を志向するアジアの国々

 今年日本は戦後60周年を迎えます。アジアの国々にとっては、日本の植民地支配から解放されて60周年の節目にあたります。
 日本は過去アジアの国々にたいしておこなった行為を真摯に反省し、アジアの人々から信頼され、協調する関係をきずいていかなければなりません。

日本の右傾化を警戒

 自民党の中川秀直国会対策委員長ら与党幹部は、1月11日、中国の唐家璇国務委員と北京で会談しました。その席で唐氏は、「日本の指導者がいまになってもA級戦犯の祀られている靖国神社に公式参拝することは受け入れがたい」と述べ、小泉首相の靖国神社参拝を中止するよう要請しました。
 昨年11月チリでの日中首脳会談の席でも、中国の胡錦濤国家主席は同様の主旨の要求を小泉首相におこないました。
 それにたいして小泉首相は、「戦争の犠牲になったアジアの人々を冒涜するつもりはない。不戦の誓いを立てるために靖国神社に参拝する」と主張していますが、靖国神社参拝は、戦争を賛美し今後日本が戦争をおこなうことができる国にしていくという意思表示に他なりません。
 かつて日本の植民地支配をうけた近隣諸国が、日本の軍国主義化を警戒し、首相の靖国神社参拝に反対するのは当然のことです。

統一にむかう南北朝鮮

 昨年12月16、7日、鹿児島県指宿においておこなわれた日韓首脳会談において、小泉首相の朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)への対応について韓国のノムヒョン大統領は、「小泉首相の(朝鮮にたいする)経済制裁への慎重な立場を高く評価したい」と述べました。 
 現在、南北朝鮮の関係は対話と協調を基調にしながら統一の方向へすすんでいます。
 韓国の企業は朝鮮の都市ケソンで大規模な工業団地建設を計画しており、同じ民族同士で協力して経済を活性化しようとしています。
 その一方、旧政権からひきついだ朝鮮を反国家団体と規定する国家保安法がいまもなお存続しています。国家保安法に違反すれば死刑になる場合もあり、南北統一をすすめるうえでの障害となっているため廃止しようとする動きが強まっています。

一方の鑑定結果のみ発表

 日本政府は、朝鮮が提出した横田めぐみさんの遺骨のDNA鑑定の結果について本人のものでないと発表しました。
 横田めぐみさんの骨は、土葬されていたものを掘りだして焼かれたものであり、熱に弱いDNAはほとんど残っていなかったと予想されます。法医学においてはトップクラスの警察庁科学警察研究所ではDNA鑑定は不可能との結論をだしていました。
 それにたいして、政府は突然、帝京大学法医学研究室による鑑定結果のみを発表したのです。
 この発表を契機としてマスコミによって反朝鮮キャンペーンが連日おこなわれるようになりました。
 その主張は、日朝友好、国交正常化をすすめるのではなく、朝鮮にたいして経済制裁すべきだ、朝鮮の体制崩壊も想定して対応しなければならないというものです。
 拉致問題は日朝国交正常化を実現する過程でのみ最終的に解決されます。
 今回「新たな事実」が明らかにされたから朝鮮を攻撃しているのではなく、あらかじめ朝鮮を攻撃するための筋書きをつくり、それにもとづいて朝鮮敵視政策をすすめているとしか考えられません。
 アジアには戦争の火種はなく、たがいに協調することによって、ともに繁栄していく道がひらかれています。アジアの一員である日本がアジアの人々と協調していくならば、アジアでの平和と繁栄のために貢献できることは多いでしょう。
 日本は、平和を志向するアジアの人々と協調、連帯していくことが求められています。