視点

2期目を迎えたブッシュ政権

ブッシュ大統領再選

 2004年11月、アメリカ大統領選挙がおこなわれ、共和党のブッシュ候補が再選されました。
 今回の大統領選挙では、ブッシュの得票はかろうじて過半数を占めるにとどまっています。再選されたとはいえ、ブッシュ大統領の支持基盤が弱くなっていることは疑いありません。したがって第2期ブッシュ政権は、これまでと同じ政策をとることはできないでしょう。
 第2期ブッシュ政権でもっとも特徴的なことは、辞任を表明したパウエル国務長官の後任にライス大統領補佐官が指名されたことです。
 国務長官に就任し外交を担当することにより、ライスは立場上各国と対話路線をとらざるをえなくなり、これからブッシュ大統領のタカ派的政策には一定の距離をおくようになるでしょう。

破綻するアメリカ経済

 財政赤字、経常赤字の双子の赤字は膨大な額にのぼり、今日アメリカの対外債務は世界で最大となり、世界一の借金国となっています。
 アメリカは自国で物を生産する以上に、外国から大量に輸入して消費することにより、5000億ドルを超える経常赤字をかかえるようになりました。
 アメリカ経済が維持されているのは、多くの国が株式や債権を購入することをとおしてアメリカに投資しており、世界の莫大な資金がアメリカに集まっているからです。
 アメリカ国債を保有する海外諸国の内訳をみると(2003年11月末)、1位は日本で5260億ドル(34.9%)、2位は中国で1440億ドル(9.6%)となっています。
 アメリカは国債を発行し世界から資金を集めることにより経済を成立させているため、もしアメリカへの投資資金流入がストップするなら、アメリカ経済は一気に破綻してしまうでしょう。

右傾化する日本

 小泉政権はいま日本国憲法をかえて、自衛隊を軍隊にし、集団的自衛権を行使できるようにしようとしています。
 集団的自衛権の行使というのは、日本と同盟関係を結んでいるアメリカが第三国から攻撃された際に、日本が相手国にたいして戦争することができるということです。
 2004年12月10日、日本政府が閣議決定した防衛計画大綱によれば、すべての武器輸出を禁止してきた武器輸出3原則に反してミサイル防衛(MD)関連部品の対米輸出にかぎって解禁する方針を決め、将来的な武器輸出に道を開きました。

日朝国交正常化は時代の流れ

 小泉首相は、日朝国交正常化にたいしては一貫して推進していく立場に立っています。
 『ニューズウィーク』(2004・12・15)のなかで、朝鮮との関係について、「キムジョンイル総書記の意向をくみすぎているのではないか、日朝国交正常化を急ぐ理由は何か」と質問されたことにたいして、小泉首相はつぎのように答えています。
 「わたしは別に急いではいない。早いほうがよいと言っている。隣の国と敵対関係にあるよりは、友好関係にあったほうがよい。1年以内とか、2年以内に可能にするよう、努力したほうがよいと言っている」
 マスメディアによって反朝鮮キャンペーンが連日おこなわれていますが、かならずしも多くの日本の人々が、日朝国交正常化の実現や朝鮮との友好関係をきずくことに反対しているわけではありません。
 一時的には朝鮮バッシングの雰囲気がかもしだされているようにみえても、長い目でみるならば、歴史的にも深い関係のある隣国朝鮮との関係が改善され、国交正常化が実現されることはまちがいありません。
 日朝国交正常化を実現することは、日本の政治的な進路とも結びついている重要な問題です。