視点

負担が増す年金法に有権者がNO!

〜第20回参院選の結果〜

 7月11日、第20回参議院議員選挙がおこなわれました。
 結果は改選前に比べて、自民党が1議席減の49議席、民主党が12議席増の50議席、公明党は1議席増の11議席、共産党は11議席減の4議席、社民党は同数の2議席、無所属は1議席増の5議席となりました。
 今回の参院選では、自民党と民主党の2大政党が合い争う構図になり、他の政党は目立たなくなってしまいました。
 自民党が敗退し、民主党が躍進したのは、通常国会での年金法案の強行採決やイラクでの多国籍軍への自衛隊の参加などに、国民が批判票を投じた結果といえるでしょう。
 国家予算の配分において、社会福祉の分野で増えた赤字を補填するために年金問題が浮上しました。
 小泉内閣は、アメリカの利益に服務する形で日本の経済構造を根本的に変えようとしており、年金制度改革もその一環としてあります。
 6月5日に参議院本会議で可決、成立した年金制度改革法によって、厚生年金保険料は、年収に占める割合が現行の13・58%から毎年0・345%引き上げられ、2017年度以降18・30%に固定するとしています。
 また、国民年金保険料は、現行の1万3300円から毎年280円引き上げるが、2017年度以降は1万6900円に固定され、これ以上、上がらないと説明しています。
 しかし、保険料額は名目賃金上昇率を反映させることになっており、実際は負担が増えつづけることになります。
 また、年金の給付水準は、現在の現役世代の平均手取り賃金の59・3%が徐々に下がり、2023年度以降は、50・2%を維持することとしています。
 しかし、給付額の試算の前提である合計特殊出生率が、昨年の時点で過去最低記録を更新し、年金法の前提自体が崩れていることが明らかになりました。
 民主党の年金制度改革の特徴は2つあります。
 1つは、これまで自営業者などの国民年金、会社員などの厚生年金、公務員などの共済年金などバラバラになっていた年金制度を一元化することです。
 2つは、消費税を3%引き上げて年金の財源とするというものです。
 民主党の年金制度改革法案も、民衆のための政策ではなく、財界などの要求を実現するものであることは明らかです。
 年金を受給する人自身が保険料を多く支払うか、消費税率を引き上げ、税収を増やして年金の支払いにあてるという改革は、広範な人々のための政策とはいえません。
 本来は、医療や福祉、教育にかかる費用は、大部分が税金によってまかなわれなければなりません。ヨーロッパ諸国では、医療や福祉、教育にかかる費用は、大部分が税金によってまかなわれています。
 ところがアメリカや日本では、税金の大部分は軍事費など国家運営の費用に使われています。
 民衆が政治の主人として登場せず、特定の政党に依存しても、政治を変えることはできません。政治は、民衆が国の主人になることを通してのみ変えることができます。