視点

大志を抱く青少年育成のために

〜教育基本法改悪は時代の流れに逆行〜

 長崎県佐世保市で、小学6年生の女子児童がカッターで切られて死亡する事件がおこり、多くの人々に衝撃を与えました。
 この事件では、インターネットを通じてのコミュニケーションのあり方や人間関係のつくり方などが問題とされ、子どもたちの教育にあらためて強い関心が高まっています。日本と朝鮮は地理的にもっとも近い隣国同士であり、歴史的にも経済や文化などさまざまな面で親密な関係を結んできました。にもかかわらず日本と朝鮮の関係は閉ざされ、国交のない異常な状態が半世紀以上も続いてきました。

学校も企業経営に

 日本政府は、高齢者介護施設などの社会福祉機関や病院などの医療機関をすべて企業経営に転換させようとしています。同様に、教育機関である学校も企業経営にきりかえようとしています。
 政府は、これまで国や市町村が運営していたすべての公立学校を私立化することを積極的にすすめようとしており、すでにいくつかの公立大学や学校が実験的に企業経営にきりかわっています。
 また憲法改悪を視野におきながら、教育基本法の改悪のための準備が着々とすすめられています。教育基本法改悪の目的は大きく二つあります。
 教育基本法改悪の目的の一つは、教育内容を細分化して専門分野だけに優れた人材をつくる教育をおこなうことです。野球や相撲など特定のスポーツにだけ秀でた人材を育成したり、数学やコンピュータ技術などかぎられた専門分野の能力だけが突出した人材を育成しようとしています。
 世界全体のことを総合的にとらえることなく専門分野だけに精通していくならば、つねに世界全体を自己の利益に結びつけようとする一部の支配層に利用されかねません。

戦争態勢を準備するための教育基本法改悪

 教育基本法改悪の目的のもう一つは、日本が戦争する態勢をつくるための教育をおこなうことです。すでに「日の丸」の掲揚、「君が代」の斉唱などは各学校で強制的に実施されています。教育基本法が改悪されれば、さらに教育のあらゆる分野で戦争する態勢をつくるための教育が実施されるようになります。
 第二次世界大戦後、教育分野においては、子どもたちを戦場に送らないということが共通の目標でした。今日の新たな状況のもとで教員と大人が広い視野をもち社会総体に責任をもって生き、正しい生き方と運動の方向をうちださなければなりません。そして教員と大人が明確な教育の目標とそれを実現する方途をもつ必要があります。
 そうでないならば、教育基本法改悪にたいする反対運動はしても、改悪案が国会を通過し施行された後には、改悪された教育基本法にもとづく教育を率先しておこないかねません。
 教育基本法改悪の動きは、自主、平和へとむかう時代の流れに逆行しています。

子どもたちが大志を抱く教育を

 「少年よ大志を抱け!」という言葉があるように、青年は大きな目標をもってこそ、新しい時代を担うことができます。大志を抱くとは、自分のためだけではなく、人々のため、未来のために生きることを意味します。
 未来を担う青年を育成する教員や大人自身が大きな目標をもって子どもたちを教育してこそ、大志をもった青年を育てることができます。
 教員や大人が子どもたちにたいして、大きな志を抱いても実現できないので、小さな目標の実現にとりくみ、誠実に生きていけばよいと教育するならば、青年に既存の社会のなかで従属する生き方を強いていくことになります。
 教員や大人が人々のため、未来のために生きる生き方をしなければなりません。
 わたしたちは大きな志をもち、みんなで助けあえば大きなことも実現できるという展望をもつことが大切です。
 みんなが協力しあうために、たとえ時間がかかろうとも、生活に根ざしながら、多くの人に未来の展望を伝え、ともに運動できるようにしていきましょう。