視点

自主を求めるイラクの人々

〜 自衛隊の撤退で平和の実現を 〜


自衛隊派遣に反対するデモ行進(東京)

 4月初旬から中旬にかけて、イラクで活動していた日本人ボランティアやジャーナリストら計5人が、あいついで地元の武装勢力に拘束されました。武装勢力の要求は、米英軍に協力する自衛隊を撤退させることでした。
 イラクの武装勢力は、自衛隊を撤退させないままにイラクを支援するといって、ボランティア活動などで再びイラクに来て捕まっても容赦しないとしています。
 イラクの問題はイラク人自身が決定する自主的な立場が強まりつつあります。

激しさ増す米軍への抵抗

 今年4月の1ヶ月間で死亡したイラク駐留米軍兵士は136人と月間最多を記録しました。また、4月末までのイラク戦争での米軍死者数は732人にのぼり、うち約600人が戦闘終結宣言後の昨年5月1日以降に死亡したものです。
 米軍は、イラク中部のファルージャで無差別攻撃をおこない、600人以上のイラク人を虐殺しました。こうしたなかで起こったのが日本人拘束事件でした。

撤退要求を拒否する政府

 イラクでは武装勢力が日本人3人を拘束し「自衛隊を撤退させるか、3人を焼き殺すか」という声明をだした直後、日本政府は即座に「自衛隊は撤退しない」と明言し、救出するといいながら3人が殺されてもやむをえないという立場をとりました。
 3名の釈放に尽力したイラク・イスラム宗教者委員会のアブダルサラーム・クバイシ師は「わたしたちには(日本の)外相の声明は人質の釈放を望んでいないように聞こえた」と抗議しました。
 日本政府は3人を救出するのではなく、彼らを拘束している場所を米軍に無差別爆撃させようとしていたといわれています。
 今回のイラクにおける日本人拘束事件で、改めて日本政府の対米従属姿勢が浮きぼりになりました。

「自己責任」論の背景

 政府は拘束された日本人が今後もイラクで活動をつづけたいと発言したことを契機に、救出費用の一部を負担させるなど「自己責任」を追及するようになりました。
 政府が「自己責任」を言いだした背景の一つには、今後イラクなど世界の紛争地域に自衛隊だけを派遣し、ボランティアなど民間人を行かせないように方向転換したことがあります。二つには、マスコミ関係者を戦場に行かせず、アメリカと政府の情報だけを流す情報統制をしようとしていることがあります。
 しかし、このような日本政府の対応は時代の流れに逆行するものです。

自主と平和が世界の流れ

 イラクの人々は、外国勢力の撤退による自主権の回復と、平和で安定した発展を求めています。
 サマワの地元紙が今年4月に実施した世論調査によれば、自衛隊の駐留を 「支持する」人は1月の90%から4月には49%へと半減し、陸自駐屯地に迫撃弾が撃ちこまれています。
 イラクの人々の抵抗運動が強まるなか、4月にスペインがイラク駐留軍の撤退をはじめました。また、中米ドミニカ共和国やホンジュラスが撤退方針をうちだし、タイ、フィリピンも撤退を検討中です。ブルガリアも撤退もありうるとしています。
 世界は自主と平和の方向に発展しており、日本のわたしたちには自衛隊を撤退させ、日本を自主的で平和な国にすることが求められています。