インタビュー

碁の楽しさを伝えたい

小川誠子さん(日本棋院六段 元女流本因坊)

小川誠子(おがわ ともこ)
1951年、福井県生まれ
14歳のとき、全日本女流アマチュア本因坊戦に優勝。
翌年、木谷実九段に入門。1970年に初段となる。
1987年には女流鶴聖となる。対局のかたわら囲碁の普及と啓蒙につとめる。囲碁番組、NHK杯戦の聞き手として活躍。
著書、「序盤の打ちかた」「小学生のマナー」「女子高生のマナー」「囲碁つれづれぐさ」「囲碁・入門から初段まで全5巻」

 マンガ「ヒカルの碁」の影響で碁がブームになり、昨年の少年少女囲碁全国大会には過去最高の約6500人が参加。碁の魅力、子育てや俳優の山本圭さんとの夫婦円満の秘訣などを日本棋院六段の小川誠子さんに聞いてみました。

―何歳からプロをめざされたのですか。

 初めて碁石を握り、父から手ほどきを受けたのは6歳の時。14歳のときに全日本女流アマ本因坊に優勝し、翌年名古屋から上京し、故木谷実先生の門下生になりました。それからは学校以外は碁一色の生活を送り、18歳の時にプロになりました。
 誰でもがプロになれるのではなく、18歳までという年齢制限があるのです。またプロになれるのは年間で数名だけという狭き門。だからプロになれたときはとてもうれしかったです。

―碁の魅力は何でしょうか。

 碁はとてもシンプルなルールですが奥が深く、考える楽しさがあります。自分のそのときどきの心が現れるのです。慢心してると落とし穴が待っていたり、活路がないかとあきらめないで見つけだしたり、人生の縮図のような感じです。
 また碁によって世界が広がり、男女や年齢、国籍、職業のちがいを超えて友だちができるところが魅力ですね。
 プロになった10代の頃から大企業の社長や各界の方などにお会いして、お話を伺えたことにとても感謝しています。
 碁を通して、おじいちゃんと孫や、先生と生徒がふれあうきっかけになったり、碁を覚えて性格が明るく、活発になった子もいます。
 何でもいいから自分が打ち込めるものがあるといいですね。

―日本だけではなく、碁は世界に普及されているのですか。

 碁はもともとは中国から伝わりましたが、いまは韓国がすごいです。国をあげて教育の一環としてとりくんでいます。塾も多いし、授業でも取り入れています。
 碁は世界約65か国に普及され、毎年世界選手権大会も開催されています。


2人を同時に指導、ホテルオークラ囲碁サロンにて
―プロの碁の世界は女性と男性でちがいがありますか。

 男女の差はまったくない厳しい勝負の世界ですが、女性は全体の1割くらいしかいません。プロになる前にやめてしまう人が多いのです。

―家庭との両立や子育てでだいじにしていることはありますか。

 やはり女性が自立して生きていくためには、経済的にも自立していくことが大切だと思います。夫が舞台公演で長期間家をあけることがあるので、私も仕事をもっていてよかったと思っています。
 夫は俳優一家で育ち、家庭環境もちがいます。私とは動と静と対照的なのですが、ちがう者同士がいっしょに生きていくところに面白さがあると思います。お互いの仕事を認めあっていくことが夫婦円満の秘訣ですね。
 娘が生まれた瞬間、産声を聞いた看護婦さんが個性的ですねと言われました。1人ひとり個性をもって生まれるのだということを知りました。
 小さいときからよい絵や演劇、映画、音楽などにたくさん触れさせて育ててきました。お友だちも大切ですね。

―今後の抱負は?

 4月から半年間、NHKの教育テレビで囲碁講座の講師をすることになっています。多くの方に碁の楽しさを知ってもらいたいです。
 欲張りですが、碁ももっと強くなりたいですね。

(2月16日編集部でインタビュー)