視点

戦時下のイラクに自衛隊派遣される

〜自主・平和の流れに逆行〜

 2月9日参議院本会議で、「イラク復興支援特別措置法」にもとづくイラクへの自衛隊派遣承認案が自民、公明党など賛成多数で承認されました。
 国会の承認手続きが完了したことにより、3月下旬までに3回に分け、自衛隊員約550人がイラクに派遣される見通しとなっています。

見つからない大量破壊兵器

 いま世界のさまざまな問題は、アメリカから生じています。アメリカが自国の利益を追求するために、世界のいたるところで戦争や紛争の火種となっているのです。
 2003年3月、アメリカはイラクが大量破壊兵器をもっていることを理由にイラクを攻撃しました。しかし、復興支援という名目で軍隊を駐留させイラクを占領しているいまも、大量破壊兵器を見つけていません。

支持率が急落するブッシュ大統領

 ワシントン・ポスト紙が2月13日、世論調査の結果として報じたところによると、アメリカ政府がイラクとの戦争を正当化するため、イラクが大量破壊兵器を持っているという証拠について「ウソをついた」と思う人は21%、「故意に誇張した」と思う人は31%で合計52%と半数を占め、「故意に誇張はしていない」と思う人42%を上回りました。
 「イラク戦争は戦う価値があった」と思う人も、1月中旬の前回調査と比べて8ポイント減の48%で、開戦以来初めて五割をきりました。
 またブッシュ大統領の支持率も50%に急落し、2001年の就任以来最低になっています。
 次期大統領選挙で民主党候補指名のトップを走るケリー上院議員と一対一で選挙したと想定すると、ケリー氏52%に対してブッシュ大統領は43%と9ポイント差をつけられています。

破綻したアメリカの政策

 アメリカは他国にたいしてイラクに軍隊を派遣するよう強要しています。イラクに比較的多く軍隊を派遣している国は、米英をのぞけば、イタリア2700人、ポーランド2500人など、アメリカの息のかかった指導者が政権を握る国だけです。これらの国で派遣国の半分以上を占め、兵員数もさほど多いものとはいえません。
 活動内容も、医療支援などに限定されています。
 最近の国際経済の状況をみると、ユーロや円にたいしてアメリカのドルは一方的に下がりつづけています。経常赤字、財政赤字、貿易赤字を抱えている世界一の赤字国であるアメリカのドルは、このまま放置するならばいつでも急落しかねない状況です。
 破綻しつつあるアメリカ経済を支えているのは日本、中国、EUなどの国です。これらの国がアメリカから資金をひきあげるならば、アメリカ経済は急激に崩壊しかねません。

対米追随は危険

 日本政府は、ブッシュ大統領の要求に応じて、イラクに自衛隊を派遣していますが、ブッシュ大統領自身がいつまで大統領の地位にいられるでしょうか。多くのアメリカ人は現政権の方針に疑問を感じています。
 ケリー上院議員が大統領になったら、外交政策は転換するでしょう。日本がブッシュ大統領に追随することは国益に反し、世界の自主的な動きに逆行します。